小説

幼女戦記 6 Nil admirari

目次
第壱章 冬季作戦「限定攻勢プラン」
第弐章 矛盾
第参章 小康状態
第肆章 外交取引
第伍章 前兆
第陸章 構造的問題
付録 歴史概略図

幼女戦記6巻。
副題の意味は「何事にも動じない」ということらしいが
中身では皆動じまくってるね。果てさて誰にかかる言葉なのやら。

なんというかひたすら帝国の迷走ぶりが強調されている巻だった。
帝国は莫大な浪費の上で勝ち続けているのに得るものがなく
それ故に納得できる成果が手に入るまで止まれない状況。

勝っているからこそまだ有利な条件で「損切り」できる状況だと思うけど
とてもそれができる雰囲気じゃないね。どうするんだろう。

状況が状況だけに物語として見ても
すっきりしない話が続いて読者的に辛い部分があるね。
個人的には戦略フェーズも好きではあるんだけど。

敵国側なもののドレイク・ミケルの二人は応援したくなる。
連邦軍の現場もそうだけど苦労してるなぁ。
プロがプロとして働いてるのは幼女戦記の魅力だと思ったよ。

そういう現場にあってメアリー・スーの存在はかなり異質。
話が話だったらメアリーが主人公だよね。人間味溢れる主人公がなんやかんやで理性に従う人や職業軍人を圧倒するという。

その辺逆手にとって直情型主人公を客観的に見つめるような形にしてるのかな。
ここからメアリーが軍人として成長していくのか、
それとも名前の由来通り我を通して無双してしまうのか……気になる。

幼女戦記 6 Nil admirari Kindle版