86―エイティシックス― (電撃文庫)


目次
序章 戦野に紅く雛罌粟の咲く
第一章 戦死者ゼロの戦場
第二章 白骨戦線異状なし
第三章 夜闇の冥府のほとりにおけるご立派な君の
間章 首のない騎士
第四章 我が名は<亡霊の軍勢>、数多なれば
間章 首のない騎士Ⅱ
第五章 スピアヘッド戦隊にクソ栄光あれ
間章 首のない騎士Ⅲ
第六章 せめて人間たらんと
間章 首のない騎士Ⅳ
第七章 さよなら
終章 鮮血女王のお成り
終章―二 Reboot―始動


逼迫した戦況のスケープゴートとして人種差別を受け
人間扱いされず兵器として戦地で戦うスピアヘッド戦隊と、
彼らの指揮を執る事になった少女・レーナの物語。

多脚戦車は浪漫。
話の中心は捨て駒として戦う少年少女達の生き様と
スピアヘッド戦隊長であるシンの戦いになるのかな。

有色種は人間じゃないから無人機とか言い張っちゃう
サンマグノリア共和国の屑っぷりが凄まじい。
ただ、これはそういう設定ですよって感じが強い印象。

共和国の「人間」代表が読者視点だとレーナちゃんなのが大きい。
白系種の中に良い人もいるのは分かってるんだよ的な部分が
割と最初から前面に出てて、二つの立場に分かれてる割には平和かな。

なんというかスピアヘッド戦隊の面子が皆優等生過ぎるんだよね。
多少感情的になる事があっても、
根本で自分達の運命を完全に受け入れちゃってるというか。

よくも悪くもドライなまま最後まで進行してしまった印象。
主要人物のシンもレーナも戦争の大局においては
影響を及ぼしてないのも特徴的かもしれないね。

そんな地味とも思える展開の中で
最後へと繋げて盛り上げてく様はうまいと思ったよ。
一つの決着をちゃんとつけてるのは素晴らしい。

終章にて駆け足で戦いの後を説明するのは
まぁ、ご愛敬かな。
これのおかげで1巻で終わって良いくらいに話が終わってる感じある。

1巻で完結する物語として読むのも全然ありな内容になっているから
気になってる人は1巻だけでも手を出してみると良いかもしれないね。



86―エイティシックス― (電撃文庫) Kindle版




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